グライダーは自然を相手に、思いの外おもしろい!
グライダーはゆっくりと優雅に飛行してシニアー向きの退屈なラジコンと思われるかもしれないが、実際のところ地形・風向・風力・機体の癖・セッティングなど中々、奥が深い!

都会では最早ラジコンの市民権は無きに等しいが、地方ではまだまだエンジョイできる。アウトドアーで日がな一日、自然と戯れられるのは何とも贅沢で知的な遊びである。

後ろは瀬戸内海、島影はオリーブの小豆島である。この日は冬場には珍しく東風との予報、急遽、行き先を変更して大串半島へ ・ ・ ・。風が強かったので機体の翼面加重限界までバラストを積んだ。(2006.01.29)
讃岐高松のMSFAのメンバーとのスナップショット。世話人の面倒見の良さだと思うが、皆さん非常にアクティブ!東に西に風を求めて遠征をされている。皆さんのお陰でグライダーの楽しさを体験することができた。      

ここ大串は車でアクセスできるので、自然に観客が集まってくる。パイロットたちは良いところを見せようとついつい肩に力が入ってしまう。

柵の向こうは急峻な地形で海岸まで落ちている。山肌の大半は身の丈以上の笹で覆われている。間違えて笹以外のブッシュに不時着させるとロスト必至。夏場は発見が難しく、冬場になって朽ちかけた残骸発見なんてことになる。
高松市の西方、郷東川の河原でショックコード(虫ゴム+テグス)による小型軽量のハンドランチャーを発航中。上昇気流が弱いと滞空時間は10秒も届かない。経験と微妙なタッチの機体操作が操縦のカギ。勿論、機体のセッティングも重要なファクターである。

最初のうちは真直ぐ機体をクライムさせられない。ショックコードから機体をリリースさせるには一旦機体をダイブさせてからアップを引く。アップ工程で機体は自然にコードから離れる。真直ぐ上げて大胆かつ繊細にリリースして出来るだけ高い初期高度を稼げるようになればビギナーを卒業である。

後は見えない上昇気流を心眼で捉えながら出来るだけ長く空気中に滞留させるのであるが・・・。難しい、だから面白い!
讃岐と阿波の国境にある三頭山山頂からおっかなびっくりビエント(スペイン語で風)発航する。前方は急峻な山肌で四国三郎(吉野川の別名)のレベルまで落ち込んでいる。

初心者にはビエントは安全、モーターONで緊急事態を簡単に回避できる。午前中は非常に渋いリフトであったが、山肌に日差しが当たりだす頃からリフトが増えてきて、最盛期にはグライダーは凧のように上空へ運ばれた。

今度は着陸が難儀であった。機速を上手く殺せない。えいやーとばかり強行着陸して機体を少破!(2007.04.29)


谷底めがけてダイブ!機体は甲高い風切り音を上げて眼前を落ちて行く。機体によっては翼がしなるのが見える、また風切り音は悲鳴に似て聞こえる。もうこれ以上スピードを上げないでくれぇ~!

初心者には深いダイブ角度は中々とれない。ハッキリ言って怖いのである!その内に様子が分かって来て水を得た魚の如く眼前の広い空域を右に左に、あるいは上に下に、縦横無尽に駆け巡れるようになる。痛快至極!これがスロープ・フライトの醍醐味か!?


これは競技用の大型グライダーのウインチ発航のショット。ウインチは200m先に設置してあり、パイロットは足でワイヤーの巻き取りをリモコンする仕掛け。赤い服の方は助手、真ん中の人が時間計測係、右端の人がパイロット。10分以上の滞空が目安。

機体は概ね東ヨーロッパ製。最新の素材と最新の機体設計による美しい仕上げである。それだけに~数十万円と高価です。

ここ、丸亀市を流れる土器川の河川敷は全日本クラスの競技会が開催されるところです。この日も四国各県と岡山・広島・兵庫からグライダー・フリークが参集していたようだった。

瀬戸大橋をバックに深いバンクで旋回中のASK-21。ここは通称「馬返し」と呼ばれる場所で、瀬戸内海に張り出した小さな半島。周りはミカン畑で、冬場に瀬戸内海を吹き抜けてくる西風を斜面で受けて、上昇気流に変えてくれる。

着陸スペースはなく、一旦、海面近くまで機体を下げて斜面に沿わせて上昇させることで機速を殺しながらミカン畑の上を着地地点に向けてアプローチさせて、ミカン畑の端にあるイバラの絡むブッシュにハードランディングさせる。

機速があるとダメージ必至!





ファイナルターンを終えた直後、ミカン畑の上をかすめて着陸地点のブッシュへ・・・













市街地は坂出市、右上の出っ張りが馬返し、左が瀬戸大橋。


















これは実機です。ASK-21に似ているがウィングレットが見えるのでDG-XXXX











何とかして小豆島でもグライダーを飛ばせないかと模索していたところ、格好の場所が見つかった。地主の許可を得て草刈と雑木の伐採などで飛行場を作った。

場所は土庄港の近くの小高い丘の中腹。頻繁に出入りするフェリーと高速艇を横目で見ながら飛ばす。

地形的にはサーマルのみが期待できる。

トンビと追いかけっこをして遊んだのが懐かしい。





尾翼がV型なのが特徴。機名は「優雅」、文字通り清流中では優雅な飛行をする。Vテールの極性設定は直観的なのと逆で最初は混乱した。未だになぜそうなるのか良く判らない!頭が固くなって来て居るようです。

一度、スロープのスリリングな気分を味わうと、この手のサーマル機は実にボーリングな気分になってくる。大体、2~3フライト、1時間も飛ばせば飽きてくる。








少し大きめ(翼長:2mクラス)サーマル機、サーマル工房製のアーバン。スポイラー付きなので着陸時にブレーキをかけられる。

茶色のビルの奥が土庄港